Hokkaido Centennial Memorial Tower Fun
 
解体の予算執行を何としてでも止めたい
 
 

北海道百年記念塔存続プロジェクト 記者会見

2021年10月8日 厚別区民センター・14時00分 

「北海道百年記念塔存続プロジェクト」意見広告 活動報告と塔の現状について

 
 

【主催】 北海道百年記念塔存続プロジェクト
【出席】 北海道百年記念塔存続プロジェクト 代表 野地秀一
北海道百年記念塔存続プロジェクト事務局長 丸山浩樹
記念塔の未来を考える会 代表 藤島 喬

 

【主催者あいさつ】

 

 

司会:「NPOまるっとシティ」の下山です。まずは代表の野地より。

 
野地:北海道百年記念塔が建てられてから、道は51年で解体という判断をしました。専門家を交えさまざまな検討をしたところ、塔体が健全であり、これから少し手を入れれば、まだまだ存続できるという確信を得ています。
 
ですから、今進んでいる解体の計画については今一度考え直して欲しい。もう一度議論をやり直しをしてほしい、ということを念頭にこのプロジェクトを立ち上げました。改めて議論して、とてつもなくコストがかかる、危険だということであればやむを得ませんが、この塔は広く道民の協力を得て建てられた塔です。そうした道民の声をないがしろにして拙速に解体をすすめるのはいかがなものか、ということで今回、そうした議論を深めるためにクラウドファンディングを立ち上げました。
 
地元的には「存続して欲しい」という声は多いんですが、北海道的にはどうなの? となったときに、まだまだ存続に向けた願いが乏しい、ということで全道的機運を盛り上げようとクラウドファンディングを立ち上げ、6月1日からからの1カ月で370万6000円のご浄財を賜りまして、今回10月10日、北海道新聞の本社版に掲載が決まりました。
 
そこで本日、みなさまにお集まりいただきまして、意見交換をして理解を深めて参りたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。
 
 

司会:つづいて事務局長の丸山です。

 
丸山:これまでのプロジェクトの経緯を簡単に説明します。昨年の8月に、百年記念塔解体はいかがなものかという団体がいくつかあるんですが、バラバラなのを声がけをいたしまして集まっていただきました。
 
それ以降「どうしたら解体を阻止できるか」という議論をZoomなどで重ねまして、そもそも解体されることを知らない人もいるということから「新聞に意見広告を出そう」ということになりました。でもお金がない。それでクラウドファンディングを活用したところ、527名の方々から370万のご支援が寄せられました。
 
多くの学校の校章などにもなっている記念塔です。多くの子どもたちのためにも、これを守らなければならない。
 
ただ「反対」ということではありません。一度白紙に戻しませんか。議論をやり直しませんか、ということです。後ほど広告を皆さまにご覧いただければと用意しておりますので、よろしくお願いいたします。
 
 

司会:続きまして北海道百年記念塔の未来を考える会代表の藤島です。

 
藤島:私たちは建築家約50名──構造屋や歴史の専門家もいます──の会です。昨年6月21日、私たちの方で塔内部の視察をすることができました。第一印象として塔体は健全であると。メンバーには北大名誉教授の石山先生も参加しておりましたが、一緒に見てもらって「構造体は問題ないであろう」というコメントをいただいております。
 
塔体は健全である。外皮はコルテン鋼という酸化すると安定する素材です。ただ塔体と外皮とのジョイントに問題が見られると。寒暖差で材量が伸び縮みすることで悪さをことがないということはない。ただ、みんなが心配しているようなある日、バラバラと崩れるようなことはない。
 
若干の部材が落下して問題となりましたが、7年前に立入禁止になり、全くメンテナンスされていない。通常通りメンテナンスしていれば防げたのではないかとと思っています。
 
道の言うように危険であったとしても、今のようなロープではなく、塔のまわりを公園化して塔に近づけないような措置をすれば十分に安全は保てる。そうしながら築後50年で拙速に解体せずに、将来の世代に判断を先に延すことで良いのではないか。
 
道が専門コンサルに発注した調査によれば、7億円で10年に一度大規模な補修を3回やる。それで21億になる。その間に通常のメンテを入れて28億という試算になっています。今、国交省は「サブスティナルデザイン」ということで「公共のものは70年持たせなさい」という指導をしています。我々の提案としては、塔体は健全ですから年間1000万円のメンテナンスで─塔の周りを公園化する経費はありますが─それを20年間継続してはどうかと。そしてその20年間の間にじっくりと検討できる仕組みを作ると。10月には解体のための見積が上がってきますが、解体には4億円必要だとされている。もっといくのではないかと思っていますが、そこに4億円を使っていいのか、ちょっと待ってください、という気持ちです。
 
われわれの仲間に駒木さんという建築史の先生がいます。小樽運河保存運動で活躍された先生です。先生は記念塔の文化財としての価値を指摘されている。この塔は、高山英華先生という高名な建築家が設計した公園の中に、全国から299点の作品を集めてコンペで選ばれていますが、1位は札幌の井口さんの作品ですが、2位には高名な黒川紀章も入っています。
 
駒木さんも、この塔を建てた建設期成会の町村金五会長の思いを大切にしなさいと言っており、町村会長は「道民の総意をもって北海道百年記念塔の建立を企画した」ということを言っています。そして「郷土愛に燃えて、偉大なる北海道の建設に邁進するため」の塔だといっています。これを「思い出したらどうですか」ということですが、同時に「建設費5億のうち半分が道民の寄附だったことを忘れてはいけない」と言っています。そして設計者である井口さんは「北海道のフロンティア魂と無限の生命力を表現した」と言っています。
 
アメリカでもセントルイスに同時期に建国記念として建てられたゲートウェイがあります。高さが180メートルくらいある。それも存続が難しい状況になったんですが、存続され、今最大の観光地になっている。日本は経済的な議論だけで、作っては壊す。作っては壊すですが、それにストップをかけるべきだなと考えてます。
 

【広告披露】

 

司会:それではここで10月10日掲載予定の意見広告を披露します。

 

 
丸山:今回クラウドファンディングの中でこの塔を守りたいという意見をたくさん頂いたんです。そのなかで地元のデザイナーの方から「ぜひお力になりたい」とあったんですね。はじめは自分たちで図案を作ることを考え、みなさんのメッセージで埋めつくそうということを考えておりましたが、そのデザイナーさんから「シンプル・イズ・ベスト」というアドバイスをもらいまして、全部お任せすることにしました。それではみなさんにお披露目します。
 
わかりやすいメッセージを5点。①老朽化していません。②道民の寄付金でつくられました。③全国公募299点から選ばれた貴重な作品で建築文化遺産です。④塔はまだ未完成です。⑤地元の学校の校章や校旗になっている地域のシンボルです、という分かりやすいロジックを並べました。
 
同時に存続プロジェクトのホームページも作らせてもらいまして、右下のQRコードから電子署名をすることができます。あくまでも反対ではなく白紙に戻しましょうという意見をさせていただいています。このホームページ上で寄附の方のお名前を全員掲載しております。
 

 

 

【質疑応答】

 

 

 

司会:それでは質問があれば挙手をお願いします。

 
Q:クラウドファンディングが終わってから4カ月がたちますが、時間がかかった理由とそれに対する思いをお願いします。
 
野地:正確に言うと7月1日の午前0時でクラウドファンディングは締めました。北海道新聞のご協力を頂きましたが、当初から全面全道版を目指していましたが、それが予算的に適わず、コロナ禍で打ち合わせもままならないなか、交渉に時間がかかりました。素人有志のボランティア集団ということでご勘弁ください。
 
Q:「反対」ではなく「白紙」に戻すということですが、「反対」にしないのはなぜなのか?
 
丸山:反対だ! 賛成だ! の対立からは何も生まれない。ですから、ゼロから話し合いをさせてください、ということです。
 
Q:電子署名ですが、署名の目標、集まった署名をどう使うのか?
 
丸山:すでに集めた署名が1万にあります。少なくとも2万以上集めたいという目標があります。それをもって何らかのかたちで道議会に、陳情というか、持っていって「民意を無駄にしないで下さい」というお願いをする予定です。もちろん、これからの話し合いで路線が変わるかもしれませんが。
 
Q:資料を見ますと8項目ぐらい挙げられていますが、去年の6月の時点から新たに今回初めて言いました、新たに付け加えられたことはありますか?
 
藤島:僕たちは3回道に質問を出しているんですが、その3回の質疑の内容を書いています。3回出しましたが、道からは全部同じ回答でした。われわれが提案したことに対するお答えはありませんでした。
 
Q:プロジェクトとして今後どんな動きをしていくのか? 決まっていることがあれば教えてください。
 
野地:これからの話し合いのなかで決めていくことなんですけど、差し迫ったこととしては、今、ドーコンさんが解体設計の見積を今つくっている最中です。当初4億1000万という金額出ていますが、その金額に対してどうなのか? 正式な見積として出てくると思いますので、その金額がすごく膨らんでいたら、いろいろなことをやはり話し合う必要があるなと。
 
残念ながらこれは一回道議会を通過していますから、白紙撤回のためには道議全会派のご協力をいただきながらすすめていかないと解体の道を阻止はできないと。解体設計の見積の前に道民の声を高めなければならないと──という思いでこの時期──ちょっと遅れましたけど──今回この広告でみなさんの声を頂戴できると思いますので、この声の高まりを道議会にぶつけて、道議の中には「うちの地区の問題ではない」という方もいたと思いますので、道民の総意によって、道民の寄附によって建てられた建物、反対というか、いったん止めて考えましょうよ。とういうな声が高まっていることを受けて北海道議会に訴えていきたい。
 
地元の和田議員の力をいただきながら1万筆程度の署名は知事すでに持っていっています。持っていってどうだったか? というと何も反応がない。道民の声をかたちにするには議会に少し動いてもらわないとこの流れは止まらないな。
 
ただし、もう解体設計が出てきて、来年度から解体に入る見込みになっていますので、その予算執行は何としてでも止めていきたいと思っています。道議会の方に働きかけを強く行ってまいりたいと思っております。
 
藤島:解体設計はドーコンさんがプロポーザルということで選ばれておりますが、どうやって選ばれたのか分からないところがあります。プロポーザルの要綱を見ますと一般公開とは書いてありますけど、4階以上の建物を解体した業者ですとか、すごくハードルの高いプロポーザルで、何が一般公開だと。どういう経緯でどうしてなのか聞きたいところだなと。
 
解体後の空間構想では跡地のことも書いてあるんですが、ところが今回のプロポーザルでは解体だけなんですよ。解体後にモニュメントをつくるが一切触れられていない。それも将来的にお金がどれほどかかるのか? どんだけの維持費がかかるのか? 本当は追求していかなければならないと思っています。なんとなくうさんくさいな、とわれわれ同業者としては感じるところです。
 
Q:今回のクラウドファンディングの手応えをどれぐらい感じられたか?
 
丸山:SNSでもどんどん発信しました。私個人ですけども「今回クラウドやらせてもらいます」と言うと、本当にたくさんのコメントが寄せられております。非常に感触は良いんじゃないかなと。
 
 
 

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