道内経済紙2誌
道の記念塔解体プロセスの
疑問を追求
 
 

北海道百年記念塔の解体予算の一部が盛り込まれた令和四年度北海道予算が承認され、記念塔の解体プロセスが進みましたが、道の解体論には多くの疑問があることはこのサイトでたびたび追求してきたところです。北海道の代表的経済紙「道民雑誌クオリティ」と「財界さっぽろ」が、令和4年4月発行の5月号で、こぞって記念塔解体の疑惑を取り上げました。

 

『財界さっぽろ』(2022年5月号)
賛否両論 検証! 北海道百年記念塔はなぜ解体されるのか

 

 
 
4pにわたると特集記事として取り上げています。最初に記念塔の概要、解体にいたるプロセスを簡単に紹介した後、3つの「疑念」を挙げています。
 
「疑念①」は、「解体は道の既定路線だったのか?」として、平成30年発表の空間構想において「解体もやむえない」と判断したとする道の発表への疑問です。道が公開していない調査報告書を存在から「この結果を見れば『道は13(平成25)年から解体の可能性を探っていた』と訴えるのもわかる」としています。
 
「疑念③」は「道は老朽化を印象づけ?」として、道の管理懈怠を指摘しています。地元の選出の和田義明代議士や設計者の井口健氏の取材を元に「井口氏の主張通り、道が維持管理を怠ってきたとも見てとれる」としています。
 
「疑惑③」は「不透明な維持管理コスト」で、道の維持管理費の試算を検討し、修繕費の大半を占める大規模修繕で経費内訳がなく、算出根拠を検証できない問題を挙げました。そして反対派の「過去の大規模修繕費を流用して単価をあらためただけ。建築学会道支社は物理調査を実施していたが、ドーコンの報告書は物理調査の痕跡もなく、担当者の主観に基づいた想定で算出したのでは」という主張を紹介しています。
 
これに対して道の担当者は同誌の取材に応えて「ドーコンからは必要な補修内容を算定した上で、各工事の費用見積を専門業者から取ったと聞いています。従って、調査結果の中に内訳は存在していませんが、正しく積算された金額であると認識しています」と答えていますが、どうして大規模修繕の内訳がないのか、それを業者の口頭の言い訳だけで了承しているのかは答えていません。ますます疑惑は深まるばかりです。
 
 

『道民雑誌クオリティ』(2022年5月号)
「北海道百年記念塔」 なぜいま「解体ありき」なのか 
~地元の「存続希望」を無視する裏にあるもの

 

 
5月号の巻頭特集として8ページわたる大特集となっています。特集は2部構成で一部は、ジャーナリスト黒田伸氏によるリポート。「『解体』予算計上の疑問」「『危険度』算定に疑問が…」「維持論展開する和田衆議」「数多くの〝記念事業〟の中で」「総工費の半分道民の寄付」「維持管理費の積算方方に疑問」「『聞く耳を持たず』の真相」という小見出しが並びます。
 
和田代議士への取材を主軸に、『財界さっぽろ』が取り上げた疑惑を指摘。「道の二つの間違いとして①13(平成25年)から維持管理を放棄する形で解体プロセスを進行させてきたのにそれを隠し、あたかも道民の総意のよって結論を得たように工作した。②老朽化は管理放棄に原因があるのに、構造的に問題があるように世論を誘導した―――を挙げ、もしこのまま解体に進むなら「民主主義の危機だ」とまで言い切っている」と紹介。
 
そして「なぜそんなに解体を急ぐのでしょうか」と投げかけ、その答えに当たる部分は、「『百年記念塔はアイヌの人たちから嫌われている』とか『開拓という言葉がアイヌ圧政を想起させる』など、記念塔を解体するためにアイヌの人たちを利用しているだけ。しかも、それも一部のマスコミに喧伝させ、あたかも『アイヌの人たちが百年記念塔の解体を望んでいる』と道民に思わせる魂胆なのだ」と道内在住マスコミ関係者の証言のかたちで語っています。
 
残念ながらこれは「なぜそんなに解体を急ぐのでしょうか」の答えになっていません。「地元の存続希望のを無視するウラにあるもの」というタイトルに惹かれて読んだ読者にはモヤモヤが残るでしょう。
 
それでも、レポートの〆の言葉「現在、ロシアのウクライナ侵攻という厳しい国際上を見るにつけ、明治維新の混沌とした時代を経て〝北海道開拓〟という新しい時代に関わったすべての人の魂が集まる場所として新たな命を記念碑に吹き込むのも、令和に生きる私たちの使命かもしれない」と結んでいることは、本サイトの主張と合致します。
 
第2部にあたる「<参考資料>『北海道百年記念事業』とは、本サイトの要約となっています。