Hokkaido Centennial Memorial Tower Fun
 

令和3年第2回定例会(予算特別委員会第1分科会) 令和3年6月28日

 自民党・道民会議 星 克明議員

 

拙速な判断は避け、存続のあらゆる可能性を検討せよ

 

歴史文化施設の活用へルールはあるのか

 
【星委員】次に、北海道百年記念塔についてお伺いいたします。北海道命名百年を記念し、開拓に尽くした先人への感謝と、未来を創造する道民の決意を示す目的で、百年記念施設として計画され、昭和45年に完成したものであります。平成26年にサビ片の落下などが確認され立ち入りが禁止となって現在に至っているわけでございます。
 
平成28年、百年記念施設を将来に向けて、どのように後世に伝えていくのかについて議論が開始され、平成30年に北海道歴史文化自然体感交流空間構想が決定し、百年記念塔については、解体という方針が示されたと承知しているところであります。このことは、議会議論を経てのことであることは私も十分承知しておりますが、北海道には公共事業の評価システムとして、時の物差しから事業見直しを行う考え方、これは北海道で最初に打ち出された「時のアセスメント」という素晴らしい考え方もあり、解体決定に至る過程での疑問点について以下伺いたいと思います。
 
はじめに、維持管理のルールについてでありますが、平成28年歴史文化施設活性化に関する懇談会が開催され、記念塔については、補修し続けることは財政的に困難、記録や資料として残されていれば、解体がやむを得ないとの意見が出ておりますが、歴史文化施設の活用等に対して道として一定のルールはお持ちではないのか? そしてそのルールがなければですね、歴史文化施設の活用等に対して、平等性というものが失われるのではないか? と考えるところでありますが、まず見解を伺いたいと思います。
 
【委員長】文化振興課長渡辺あつよしさん。
 
【文化振興課長】歴史文化的建造物の活用などについてでございますが、道におきましては、こうした施設の活用などに関します統一的な規定は定めていないところでございます。なお、文化財保護法におきましては、都道府県における文化財の保存および活用に関する総合的な施策の大綱を定めることができるとされておりまして、道におきましては、文化財保護し、将来にわたって適切な保存活用を図ることを目的といたしまして、本道における文化財の保存活用の基本的な方向性を明確にいたしました「北海道文化財保護文化財保存活用大綱」を策定をし、道内における各種取り組みを進めているところでございます。以上でございます。
 
 

解体に値するほどの危険はあるのか

 
【星委員】こういう建造物の中でですね、例えば開拓の村の展示物や、その他の建造物にも道民それぞれのですね、思いというものが存在するとこでございますので、文化財とならない建造物であってもですね、やはり統一のルールというものが必要ではないかと考えているところでございますので、この点について指摘をさせていただきたいと思います。
 
次に、平成26年、周辺への立ち入り禁止をして以来ですね、安全性が確保されないこともですね、この解体の理由とされているところであります。平成29年には専門コンサルが直ちに倒壊する危険はないものの、不測の落下事故への対策として、立ち入り禁止エリアの設定という調査結果を出しているところであります。令和2年に、建築関係者の視察でも、塔体は健全な状態にあることが確認されており上部鉄板については定期的な点検により未然に事故を防止することも可能ではないかと考えるところであります。
 
平成26年の立ち入り禁止措置以来ですね、約6年間重大なインシデントは発生しておりません。また周囲をですね、くいとロープで区画する…この程度の措置が解体に値するほどの危険と道は認識されているのか? ちょっと疑問に思うところでございます。この危険度についての考え方をお伺いいたします。
 
【委員長】文化振興課長。
 
【文化振興課長】記念塔への現状認識などについてでございますが、記念塔につきましては、老朽化が進行しておりまして、さび片の落下などが確認されましたことから、道では、公園を利用される方々の安全を確保するため、平成26年7月から専門業者と危険箇所の確認などを行いました上で、塔への立ち入り禁止の措置を講じておりますほか、必要な箇所にバリケードや看板を設置するとともに、記念塔の周辺や内部の巡回警備を強化をし、必要に応じて緊急的な点検や修繕などを実施してきたところでございます。
 
しかしながら、平成30年の台風第21号の通過によりまして、一部部材が落下する被害が発生をし、さらに本年6月4日の暴風雨では、外壁の一部が剥離をすることが発覚をするなどサビ片や部材の落下などが続いている現状を踏まえますと、今後人的被害をはじめとする周辺地域に影響を及ぼす危険度が増しているものと認識をしており、道といたしましては、公園を利用される方々の安全確保の観点から、解体もやむを得ないといたしましたこれまでの判断に変更はないものと考えているところでございます。以上でございます。
 

今後50年間で維持に28億、その根拠は?

 
【星委員】次にですね、維持費用についても解体の理由とされているところであります。塔を、例えば現状復旧する場合、今後50年間で約28.6億円は必要とされているとのことでありますが、その内訳として、毎年必要とされる一般的な維持管理費用はいくらであるのか、また一定程度の間隔で大規模改修の工事費、これを計上されておりますが、想定されている費用と、この大規模改修の根拠といいますか、内容についてお伺いをしたいと思います。
 
【委員長】文化振興課長。
 
【文化振興課長】今後の維持管理経費についてでありますが、道では、平成29年に、今後50年の間に想定をされる、維持管理経費につきまして、設計施工の専門業者に調査委託を行ったところでございます。ただいま委員から御指摘のありました通り、以前使用をいたしておりました展望室への立ち入りを可能とする場合の経費につきましては約28.6億円でございまして、その内訳といたしましては、毎年度経常的に実施をする修繕費が1165万円、初年度および20年後、40年後と、50年間で3回予定をしております大規模修繕費につきましては、外部の修繕費が、1回当たり4億2000万円、内部の修繕費が1回当たり2億7900万円となっているところでございます。
 
この大規模修繕につきましては、平成4年と平成11年に実施をいたしました、それぞれの修繕の考え方を基本といたしまして、前回の実施時期と、経年劣化による腐食の進行具合などを考慮いたしまして、外部内部修繕ともにサイクルを20年毎として試算をされているところでございます。これらの金額につきましては、消費税を含まない額で算出をしているほか、その他、資材費や人件費などの上昇分なども見込んでおりませんことから、実際に維持管理費を行う場合には、金額の増高が想定されるところとなっているところでございます。以上でございます。
 

道のアンケートの何倍もの反対署名が寄せられたが

 
【星委員】次にですね、この百年記念塔は、北海道の歴史や未来に感謝を感謝や思いを込めた記念施設でありその建設費用の53%が寄付により賄われている、ということであります。解体というこの極論に達するには、やはり民意というものに十二分に配慮する必要があるところと考えるところであります。
 
これまでに道として、アンケートやワークショップ、パブリックコメントなどを行ったことは承知しておりますが、このですね、これが有効なデータの、データとしての数と考えておられるのか? また平成31年には、この記念塔の解体反対署名という形で、その何倍ものですね民意が寄せられたところでありますが、道として民意の反映についての見解をお伺いしたいと思います。
 
【委員長】文化局長。
 
文化局長】百年記念塔の今後の方向性についてでございますが、道では、平成30年12月の交流空間構想の策定にあたり、道民の皆様から幅広くご意見を伺うため、道のホームページなどから参加を呼びかけた道民ワークショップや大学への出前講座の開催に加え、住民の皆様などを対象といたしましたアンケート調査など調査を実施したほか、学識経験者や専門家の方々からご意見を伺うため、懇談会を5回にわたって開催をするとともに、個別のヒアリングも実施したところでございます。
 
地元の皆様や施設を利用される方々からは、記念塔の存続を希望する意見が多く、一方で全道のアンケート調査では、解体もやむを得ないとする意見が多いなど道民の皆様の間には様々な考え方がありましたことから、道では専門家の方々の知見も伺いながら、塔の安全性について検討をし、最終的に塔の構造上、老朽化の進行を完全に防ぐことは難しく、公園を利用される方々の安全確保などの観点から、解体もやむを得ないと判断したところでございます。
 
道といたしましては、様々な考え方や知見を踏まえまして、構想案をまとめ、議会にご報告申し上げましたが、その後存続を求める署名や質問状が提出をされるなど、地域住民の皆様や建築の専門家の方々の記念塔に対する強い思いや、ご意見があることは承知をしており、今後とも様々な機会を通じ、道の考え方についてご理解いただけるよう努めてまいる考えでございます。
 

存続を求める道民の思いに寄り添った対応を

 
【星委員】最後になりますが、記念塔のですね、果たす役割はまだ失われていないのではないかと考える方々や、解体の根拠に疑問を持たれている専門家の方々が数多くいらっしゃいます。昨年の第1回定例会予算特別委員会において拙速な判断は避け、あらゆる可能性を検討するなどして丁寧な対応をしていただきたいと指摘をさせていただいたところであります。
 
道は構想に沿ってですね、現在解体の実施設計を行うなど、解体に向けた取り組みを進めているところでありますが、百年記念塔守る会や、百年記念塔の未来を考える会の方々は、記念塔の存続に向けた活動を現在も続けられており、道はこれらの方々の思いに寄り添って、対応をしていただきたいと考えるところであります。改めて拙速な判断は避けられ、あらゆる可能性を検討するなど、丁寧な対応していただきたいと求めるところでありますが、今後どのように対応していくお考えなのかを最後にお伺いします。
 
【委員長】環境生活部長。
 
【環境生活部長】百年記念塔に関する後の対応についてでございますが、記念塔の存続を求める方々が署名や質問状の提出、あるいは解体方針の撤回を訴えるためのクラウドファンディングを実施するなど、様々な活動を行っておられることは承知をしておりまして、道といたしましては、その思いを真摯に受け止めながら、交流空間構想でお示しをした考え方をご理解いただけるよう、できる限り丁寧な対応に努めてきたところでございます。
 
委員ご指摘の通り、現在道では解体工事の実施設計を進めているところであり、今後明らかとなる解体経費につきましても、議会にご報告を申し上げるとともに、記念塔の存続を求める方々をはじめ、道民の皆様に改めて、解体もやむを得ないという判断に至った道の考え方について、丁寧にご説明を行ってまいる考えでございます。
 
道といたしましては、公園を利用される方々の安全確保が何よりも重要であるとの考え方のもと、記念塔の老朽化の状況をはじめ、解体経費の内容や議会でのご議論など、様々な要素を総合的に勘案しながら、今後とも道民の皆様に道の考え方をご理解いただけるよう対応してまいる考えでございます。
 
【委員長】星委員。
 
【星委員】今後はですね、今ご答弁にあった通り、実施設計というのが提出されるわけですけれども、そのことで例えば解体の手法でありますとか、解体経費など明らかになってくるということでありますので、今後もですね、もう少ししっかりとですね議論をさせていただくということをですね申し上げさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 


【引用出典】
http://pref-hokkaido.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=3154&fbclid=IwAR0GWEoCEXBsyIlAyjoCII99tRQ1omx1cD_QsOxb1p85SBmaMnUqI2rZ9v8

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