Hokkaido Centennial Memorial Tower Fun

「日本の尊厳と国益を護る会」北海道百年記念塔を視察
道との意見交換を公開(パート2)

 

自由民主党の議員連盟「日本の尊厳と国益を護る会」(青山繁晴会長・山田宏幹事長・会員75名)が会の活動として北海道百年記念塔保全を支援することを決議し、その活動の第一段として8月31日と9月6日の2回、北海道百年記念塔の現地視察と地元関係者との意見交換、同担当部局との質疑応答が行われました。
 
筆者は2回の道の質疑応答の場面におりましたが、当初、道から非公開と聞かされておりました。そこで記録を取っておりましたが、公開を抑えていました。しかし、9月12日に行われた道議会の環境生活委員会で、札幌市北区選出の道見やすのり先生が「なぜ道は非公開にしたのか」と質問すると、道は「道として非公開を求めたわけではない」との答弁しました。すなわち道と護る会の質疑応答はは非公開では無いということなので、ここに質疑応答の模様を公開します。
 
 

 
 
※この記録は北海道百年記念塔ファンにおいて会場で録音した音声を独自に文字起こししたものの要約です。

令和496日 日本の尊厳と国益を護る会
「百年記念塔視察意見交換会」質疑応答概要
 

 

〔出席者〕

 

〔日本の尊厳と国益を護る会〕

青山 繁晴       護る会幹事長 参議院議員(全国・比例)
和田 義明     衆議院議員(北海道5区)
杉田 水脈       衆議院議員(兵庫6区)
松本 尚   衆議院議員(千葉13区)
 

〔北海道〕

小玉 俊宏     副知事
塚田 みゆき   環境生活部文化局長
渡辺 厚義     文化振興課課長
 
 
【和田先生】それではこれから「護る会」と北海道庁さんとの意見交換会をはじめさせていただきます。それでは「護る会」の青山からお願いします。
 
【青山先生】今日もしっかりと見させていただき、議論の方をさせていただいたことに深く感謝いたします。日本の尊厳と国益を「護る会」にとっては、二度目の訪問となりまして、前回の勉強したうえで、今回臨んでおります。
 
和田さんが孤独な闘いで北海道百年記念塔保存に尽力されてきました。和田さんが「護る会」に参加していただいたために「護る会」全体として取り込むことになりました。もちろん根幹は北海道の知事が決めることでありますが、国全体の課題でもあるととらえて今日、闊達な議論をしたいと考えております。
 
【杉田先生】百年記念塔の視察させていただき、本当に素晴らしい建物であって、これが壊されてしまうというのは残念だと率直な感想を持ちました。
 
【松本先生】塔を上って札幌の街を眺めて、札幌の街がかつては原始林であると。そういった場所から明治の方々がここまで大きな街をつくっていくということは、さぞ大変なことだった――。先人たちの努力を記念する塔から札幌の街を見るて強く感じました。
 
【小玉副知事】知事が所用で出席がかないませんでした。私からはまず、この記念塔を含む百年記念施設と野幌の原始林エリアの考え方をご説明させていただきます。このエリアは2000ヘクタールによる世界屈指の広大な孤立林でございまして、これと同時に開拓をささげた恵みの森でもございます。
 
開道百年にあたる1968年に、先人の偉業を称え、次の世代に繋げられるよう、この地に3つの百年記念施設を順次整備してまいりました。3つの百年記念施設のうち、記念塔が8年前から立ち入りができず、その歴史的な意味を伝えられない状況にございます。
 
道といたしましては、このエリアを50年後も北海道を築いた先人の思いを継承するとともに、国内外の人々が北海道の歴史と自然と文化を体感する交流空間として再生して、周辺住民の皆様にもきっと満足していただけるような整備を進めてまいりたいと思っています。
 
記念塔のあり方の検討につきましては、道民の皆様のご意見、専門家や有識者の方々の知見をを伺い、道議会で構想案の他、たくさんの議論、議決をうけて進めてきたこと。そして、塔の構造上、今後の老朽化を防ぐことが困難であり、公園利用者の安全確保と、将来世代の負担軽減の観点から解体はやむおえないと判断をしたこと。
 
跡地につきましては、野幌森林公園全体の交流空間として、開拓の歴史をはじめ百年記念施設の趣旨を継承して再生したいと考えていること。
 
道といたしまして、さまざまなな想いや意見があることを承知しておりますので、今後も道の考え方を丁寧に説明していきたいと考えています。
 
【和田先生】恐れ入りますが、メディアの方々は一旦ご退出いただいきます。
 

 


 
【青山先生】私達としては、この大事な記念塔を、道庁と道民とそして日本国民全体で連携をして保存していきたいという考えです。前回の意見交換を踏まえて、その確信に至っているということであります。
 
まず安全性について、今日内部を見せていただき、その結論として、きちんと合理的なコストでメンテナンスをすれば、十分に安全性は担保される。経年劣化というものが最大の懸念要因であろうと思いますが、メンテをしても経年変化に耐えられない状況とは到底思えません。
 
落下した物について見せていただいたわけですけれども、8年間立ち入りができないと同時に、事実上メンテが行われていないわけですから、8年間メンテをしなかった割にはむしろよく耐えていると考えています。
 
前回の議論の場で文化財としての価値は十分に認識されていると道から明言をいただいております。文化財の価値があるなら当然費用を投じてして保存するわけでございますが、壊して別なものを建てるというのは、いかなる文化財についても本来あってはならないことです。それをやっていれば、奈良であったり京都であったり、全部新しいものと入れ替わってしまうわけです。
 
道庁のご説明ですと、文化財としての意義を認めているということは、維持が可能なのかということと、他の何かのなかに合理的なコストがかかったということがあるのかなと思います。
 
前回の議論の場によりますと、30億と道庁が記載されていますけれども。あれだけの構造物が半世紀前の建築技術でよく建ったという意味で値打ちがあると思いますが、それを30億というのは――30億という試算が正しいかどうかについても「護る会」の中でも意見がありますけれども――道が責任をもって目算した30億にしても、維持費としてとうてい考えられないものではないと思います。
 
もはや解体しかないという風に進んでいくというのは、あまりにも拙速であると考えます。当然道民の方々を第一として広く議論を集めるべきでありますし、私達としてはその結果、北海道開拓の歴史を子々孫々に受け継ぐために、現在の塔を存続させることが必要であると思います。
 
当然道議会における議論も、地方自治を尊重しつつも必要であると考えています。一度立ち止まって広く話し合い、文化財としての値打ちをお互いに認め合えれば、保存の方法について考える、前に進む方向で考え直していただきたいと思います。
 
【杉田先生】道民の方の意見というのが、どのように反映されて、このような結果になったのか、私もどういうことなのか、と思っております。
 
「保存してほしい」「このままでいて欲しい」という方は1万4000筆の署名を集めて提出をしています。お尋ねしたいのが「これは危険だから解体してほしい」という署名であったり、解体を要望する団体とか、そういったのがあるのかないのか?
 
住民等を対象としたアンケートを実施したとあるんですけれども、どのような設問であって、どのような回答が何件あったのか? 詳細な資料をください。パブリックコメントを実施していらっしゃいますが、このパブリックコメントは、どのような意見が寄せられたのか、そういったあたりも教えていただければと思います。
 
 

住民アンケート質問用紙(情報公開開示資料) 露骨に解体の方に誘導する設問になっている。

 
【松本先生】感情的な話を話よりも、理詰めで話をできれば良いと思って来たんですが、等に登ってみるとそれが良く分かった。どれだけ苦労して北海道を開拓してきたか。それだけであの塔が存在している意味というのは非常に強いだろうと正直思いました。
 
そうしたことをもっともっと北海道の子どもたちに、全国の子どもたちに伝えていっていただきたい。それをメンテナンスだけの問題で取り壊してしまっていいのかと強く思います。
 
一点だけ、我々が入り込んだ方のは西側ではないかと思いますが、あそこの外版の錆というか、塗装がはがれ落ちているのは下から見上げると目立っていて、その他はちょっと見ることができませんでしたが、反対側はもしかしたら割に綺麗だと思います。
 
そういう意味ではしっかりメンテする必要がある。メンテをすればまだまだしっかりと、塔としての価値は保っていけるのではないかなと思いました。
 
平成26年から管理費が半分になって、29年から管理がないと聞いているんですけれども、だから見てくれが悪くなってしまった。やはり「撤去しといたほうがいい」という論理になっていないか――。なっていないのであれば、なっていない――ということを明確に示さなければならないと思っています。
 
【杉田先生】跡地に新しいモニュメントを設置するという構想があるという風に聞いているんですけど、新しいモニュメントを設置する負担も増えるわけで、これの費用対効果。新しいモニュメントを設置するのと、今のを保全していくのとで詳しい資料があるのかどうかというのが一点。
 
新しいモニュメントについて「北海道の歴史・文化と今日の北海道を築き上げてきた幾多の先人の思いを引き継ぐとともにお互いの多様性を認め合う共生の立場で、未来志向に立った将来の北海道を象徴する役割を担うものとします」。「お互いの」というのは誰と誰を指すのでしょうか? 今の塔は、お互いの多様性を認め合う共生の立場ではないのか?
 
【和田先生】前回も質問していることですから、お答えをいただけると思いますが、平成26年から維持管理費を半額にしてきた。平成29年からは維持管理費はやってない。この間、実際は800万から400万に大幅に減らしている――この間の説明では600万から400万というお話がありましたけれども――実際は800万から400万ですね。半額に減らしている。平成29年からは維持管理費をやっていない。
 
実際に解体が決定されたのは平成30年頃ですが、その何年も前から維持管理を怠ってきているわけですよね。地方財政法違反であると、不作為もしくは意図的に道民の財産を傷めたという指摘もあるわけでございますけれども、解体が決定される前になぜ維持管理費を減らしてきたか、という説明を今日は聞かせていただきたい。
 
【小玉副知事】文化価値が無いとはわれわれ考えておりませんが、いろいろそのことも議論しましたけれども、老朽化を防ぐことは難しいと、過大な維持管理費を要するということで、それは断念しているということでございます。
 
道民意見で解体を希望する署名はございません。
 
さまざまな住民等のアンケートのデータはホームページにあげております。
 
それから塔のヒビは、今日は西面を見ることが多かったので北面はどうかな――担当の方からもしわかれば――。雨に当たるのと乾燥がよく繰り返されているところは、割と丈夫な良い錆が形成されていますが、北側は、ヒビ割れとか、反りとかは見られると思います。データが必要であればお見せします。
 
維持管理費の部分は担当から――。
 
【和田先生】これは大事な決断だと思いますから、副知事からお答えいただきたい。特に副知事は環境生活部の幹部をされて、この決定に最も深く携わってきた方の一人であられますので、責任を持って答えていただきたいです。
 
【小玉副知事】私から補足しますけれども、細かい話ということでまずは課長から――。
 
【青山先生】いや、副知事の答弁を求めているのですから、副知事お答えください。
 

 
【小玉副知事】平成2829年と環境生活部でこの施設を担当する部長でございました。たしか26年から外壁の落下が激しくなってきたものですから、今日、破片がございましたけど、当たれば危険な状態のものの落下が顕著になってきましたので、平成26年から立入を制限しました。
 
26年以降は塔の立入自体を制限いたしました。その中で公園利用者の安全を確保するための補修を優先して進めてきたため、塔自体にかけるコストは下がっているという状況でございます。
 
 
 

【北道の情報公開資料より】平成26年に内部への立入禁止となったのに塔内部の階段踊場床の改修が行われ、肝心な防錆処理が無くなっている。コスト削減なら階段踊場床の改修こそ止めるべきではないのか? 安全第一ならなぜ防錆措置を止めたのか? 29年以降メンテを止めたことについては全く言及してない。

 
 
落下した部材を見ますと、これは足場を組んで外部の大規模補修をしないとなかなか防げなかった、見つからなかった劣化ではないかと考えております。
 
 

落下したとされるのはこの赤枠の部分の部材。平成4年頃に後付けされたもの。コルテン鋼ではなく軽いステンレスでできている。
このように中から容易に点検できる。

 
 
最近の節約が意図的に劣化を助長したと我々は認識していないところでございます。
 
【渡辺課長】塔の現況につきましては、おおむね10年ごとに調査をさせていただいております。安全性につきまして、平成9年の外板の補修調査報告書、日本建築学会の北海道支部に委託をいたしまして、回答を得たものでございます。
 
塔の内部の骨格部分につきましては、メンテナンスもしてきてましたし、さほど大きな問題はないというところでございますけれども、問題となっているところは外板の部分の錆の要因となっております。濡れて、なかなか湿気が抜けない部分に錆が増えていくという状態が続いているということでございます。
 
今後の問題点といたしまして、外板周辺部の錆の進行と剥落ということです。その程度を軽減する処置は、維持管理の中で実施しますが、発生を止めるためには、外板を全部取り替えるとか、そこまでの処置をしないと難しいところでございます。
 
その他に専門コンサル、外板の素材メーカーにも安全性についてヒアリングをさせていただいております。その上で解体もやむを得ないとして判断をさせていただきました。
 
道民の方々へのアンケートは「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想」の33ページに調査結果を載せさせていただいています。
 
解体を希望する団体の有無というのは、把握している中ではございません。
 
松本先生から外板の話もございましたけれども、どちらかというと北側の方がなかなか湿気が抜けない、という状況があるというようには聞いておりますが、具体的にどの程度の差があるのかというところまでは、把握はしておらないところでございます。
 

※ここでも「外の錆」と「内の錆」を混在して回答している。

 

※小玉知事は「データが必要であればお見せします」と言っているが、渡辺課長は「把握していない」と答えている。

 
【青山先生】いまご説明いただいた資料の7ページの一番上の「今後の問題点」というところで、太字で強調なさっているのですが、そこの部分を含めて客観的に読むと「継続的な保守管理をすれば今後とも長期にわたって存続することが期待できる」と。その上で道が強調なさっている問題は「外板周辺部の錆の進行とその剥落である」と。普通に読むと、塔全面の外板を取り替えれば、費用は発生するけれども、防止できると書いてあるんですよ。
 
そうすると道の主張に矛盾がある。要するに問題は費用対効果であって、これを壊してしまって新たなものをつくる費用――その後のメンテの費用もあるわけですけれども――それとこの長い歴史を積み重ねてきた塔……。
 
事故の完全防止というのは、危機管理の専門家からするとおかしな言葉であって、ミディケーションといって最小限度にしなければならないのが危機管理の基本です。それを踏まえていうと「できない」とは書いていないわけです。ところが、その他のところをみると「とにかく無理なんだ」としか書いていない。
 
けれども、今根拠になさった文章自体に「もう維持できません」とは書いていないんです。「費用が掛かる」と書いてあるんです。だから当然、議論が必要なんではないかと思います。
 
鈴木知事は、自民党の推薦を受けて当選され、民主主義ですから、それに基づいて道庁の行政権が知事の下に発生しているわけです。知事の支持母体の一つが「護る会」といっても差し支えはありません。支持基盤の関係からしても、このままで良いとお考えですかということです。一度政治家として知事のお考えをいただきたい。
 
【和田先生】アンケートに関する説明がございましたが、道庁の説明を受けた方々――町内会の方々も含めてですけが――みな「どうにもならないのである」と。しかも今にも倒壊するような話を聞かされ、しかも「どうしようもないほど多額のお金がかかるから、壊すしかないんだ」という説明を受けている。でも「そもそも解体は反対なんだ」ということを皆さん口々におっしゃっております。
 
【松本先生】外板の問題が一番出ているのかなと。中身の鉄骨は堅牢なわけですから鉄骨残して外板をもうし別の素材にするとか、やり方はまだあるんじゃないか。あの塔をすぐに壊してという発想にいってしまうのは論理的じゃないなと思いました。
 
仮に壊したらぜひ塔を作ってください。あの場所から石狩平野を眺めるということの価値の高さをもう一回良く考えてみてください。
 
【杉田先生】アンケート結果の33ページを見る限り、実際に足を運んで見た人は「存続」が6割となっている。現場を見た人達の意見は、行ったとがない人の意見より尊重されるべきと思っております。
 
新しくできるモニュメントの「お互い」というのは何を指すのか、お答えを一切いただいていない。
 
ますます腑に落ちないんです。実際に訪れた方の6割は存続してほしいと言っている。「危ないから解体をしてくれ」という意見は道には届いていない。なのになぜ道は解体を決定したのか。道民の声がないのに道が決定したというのは決定過程において非常に不透明であると疑問を持ちました。
 
前回来たときに、アイヌの方々の意見があって、課長さんのところにもチラシやビラが届いているという事実があるんですが、どのようなチラシやビラが届いているんでしょうか?
 
【渡辺課長】外板の素材を変えても良いのではないかということですが、平成9年に外板を取り替えると17億程度の費用がかかることとなっています。素材を全部取り替えることについては費用の面で採用することはいたしませんでした。
 
新しいモニュメントの維持管理費につきましては、なるべく維持管理がかからないようなものにという形で公募させていただきたいと考えております。
 
どなたとどなたが「共生」という特定はしてはいないません。
 
パブコメの中身につきましては、公開できるものかどうかも含めまして、後に回答させていただければと思います。
 
アイヌの方々からのビラにつきましては「アイヌの歴史を否定するような記念塔は解体すべきだ」といったような内容でありました。
 
【和田先生】記念塔を文化財登録をして、お金の工面を国にもしてもらおう動きをしたのかというところをお聞かせいただきたいと思っております。
 
建築のある団体が記念塔を賞にノミネートするといった際に、道庁から「やめてくれ」といったと聞いております。これが事実かどうか。
 
維持費が高いものであれば、クラウドファンディングや民間資本の活用、ふるさと納税など想像できたと思うんですけれども、そういうのもされなかった。環境生活部は、なぜこの記念塔に対して、そこまでの情熱を注いで解体したいのか――。この情熱の源について教えていただきたい。
 
【松本先生】課長は外板にこだわるようですけど、何もコルテン綱で作り直す必要はない。塔のコンセプトを残すということ、設計者のコンセプト、・デザインを残すということに情熱を燃やしてほしいと思います。
 
【杉田先生】アンケートなんですけれども、どういう形の設問だったのか、教えていただきたい。
 
【和田先生】今日の質問で回答をいただけなかったものについて、いつ頃までに開示いただけるか?
 
【小玉副知事】今までのご質問に対しては、速やかに対応させていただきたいと思います。
 
解体に対する道庁としての情熱といいますか、なかなか安全確保ができない中で、開拓の営み、先人たちへの感謝を伝えるために作った施設が近寄れない状態になっている。なんとかしてもっとたくさんが訪れるエリアにして活性化したい、これが源泉でございます。
 
倒すべきという団体の意見は聞いておりませんが、やむを得ないというアンケートでもございますが、そういうことについての声については聞いております。
 
クラウドファンディングやふるさと納税の検討でございますが、当然考えてきましたが、長期にわたって維持管理をしていかなければいけない、その財源を頼ってしまうことについては現実的ではないと思いました。
 
コルテン綱としてこれだけの規模のものは日本では初めてと思いますので、そういう意味では価値があるのかと思います。
 
今後劣化が進んだ状態で大規模な補修をし、維持管理をしてしまうと30億と見積もりましたが、それくらいかかるだろうと。そこで施策の優先順位を考える中で、開拓の歴史、先人への感謝を伝える別な方法として、広場だったり、モニュメントを作れないかとで、本来持っていた目的を達成できないか考えたものでございます。
 

※新しいモニュメントの建設趣旨に「開拓」の文字はない

 
【和田先生】神社仏閣も、瓦版だとか、寄附を募って、何十年何百年とメンテナンスをやっている。維持管理を人様に頼るというのは歴史的なものとしては当たり前といえば当たり前。古いから、維持費かかるから壊して、それで代わりのものをペロっと作って、それで歴史に対して敬意を払う――これがまっとうなことだと思われますか――。私にはとうていそうは思えない。
 
お金集めもしない。文化庁に対してお願いもしない。ダメになると分かって放置して、ダメになったから壊します――これで先人に対する敬意を払っていると言えますか。
 
綺麗な言葉は書いてありますよ。だけど、まやかしじゃないでしょうか。本当に真心をもって先人に対するリスペクトを持って仕事をしていると、胸を張って言えますか。
 
【小玉副知事】最善を尽くしていると思っています!
 
【和田先生】最善を尽くしてこれですか――!
 
【青山先生】もう一度申しますが、道政の与党である自由民主党。自由民主党は国民政党、全国政党でありますから、そこで妙な争点にならないために私たちは来ていますので、それを政治家としての知事に間違いなくお伝えください。
 
北海道百年記念塔は、鉄板だから文化財の価値が低いと思い込んでいないですか? 清水の舞台は木材であれだけの高さを組むのは非常にリスキーなんです。だけれども、あれは木材の舞台だから値打ちがある。北海道百年記念塔はただの鉄板だから価値が低いという思い込みは私にはないんです。
 
費用対効果というのは単純な話ではなく、北海道の開拓の歴史、先人の努力を子どもたちに伝えるということを加味して考えなくてはいけないんです。文化財を残すとはそういうものなんです。
 
副知事から「どうしても倒すべきだ」という反対意見が寄せられていないことに対して唯々諾々と従っている。安全確保が問題だとおっしゃるのであれば、我々と一致点を見つけることができる。時間が迫っているのですが、これは北海道にとどまらず、この日本全体の文化財の維持ということに影響を与えることになる。
 
僕は神戸の生まれで、日本の世界遺産の第1号は姫路城。姫路城を訪れて感激しない人はいない。それは封建制度の象徴ですので、負の部分もあれば正の部分もある。全てを統合して、乗り越えて、先人の苦労をしのび、史実の通り伝える、というのが民主主義の国なんです。
 
そんなかで一致点を探れるのは「先人を尊ぶ」ということではないでしょうか。双方にとってよき一致点が見つかると思いますので、古い四字熟語でいうと「虚心坦懐」。思い込みを捨て普通に考えていただくことをお願いします。
 
【杉田先生】私も先人を尊ぶ気持ちがすごく大事だと思います。北海道の開拓の歴史というのは他の都道府県にはない、本当に素晴らしい歴史だと思うんですよ。これを北海道が残さないで、どこが残すんですか――。
 
北海道博物館のパンフレットをいただいていますが、この中に「開拓」ということがごぞっと抜けている。みなさんの想いはどうなんですか? 開拓を残さなくてよいという思いなんですか? 素晴らしい開拓の歴史だと思います。北海道が開拓を伝えないで……他の都道府県ではできないことですから、しっかりと先人を尊ぶという気持ちを大事にしていただきたい。
 
【小玉副知事】青山代表のご意見、知事にお伝えしたいと思います。開拓の歴史を大切に引き継ぎたいからこそ、いろいろ知恵を絞ってこういう新しい歴史・文化・自然構想というものがあります。以上です。
 
【和田先生】長時間ありがとうございました。
 
 

 
 

 

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