【疑問④】なぜ更新する必要のないものを毎回更新するのか?

 

平成29年調査は、大規模修繕と毎年の経常措置に分かれます。今回は経常的措置=通常メンテナンスを見ましょう。やはりこちらも不可解でした。

 

■5年サイクル、10年サイクルの「経常的措置」

今後50年の保守管理は、20年に一度の「大規模修繕」と毎年行う「経常的措置」に分かれます。「経常的措置」の経費は毎年1032万円となっています(①)。
 

①H29調査報告書32p

 
これは「5年サイクルで経常的に措置すべき事項」(②)として
 
A 低層部外板裾部の胴縁防錆措置
B 踊り場の腐食旧床の撤去
C 外部ルーバー下端見切板の腐食改修
 

③H29調査報告書26p

 
「10年サイクルで経常的に措置すべき事項」(③)として
 
D 主体鉄骨の防錆措置
E 角鋼管、取付アングルの防錆措置
F 塔内清掃(北塔、南塔隔年施工)
 

 

③H29調査報告書26p

 
が上げられており、それらを合算し、年で割ったものです。
 

H29調査報告書26p

 

■なぜ5年で腐食するものを選んで更新するのか?

5年サイクルの項目の大きな額としてA「外部ルーバー下見切板の腐食修繕」があります。写真の下見板です。(④)
 

④外部ルーバー下見切板

 
単価明細(⑤)を見ると「全体43か所」となっていますから、表21個、裏22個ある下見板のユニットを5年掛けて全部交換していくようです。
 
分からないのはこの作業を5年毎に繰り返すことです。50年以上持つ素材はいくらでもあります。それらを用いれば2回目の更新サイクル以降は必要無いです。不可解な試算です。
 

⑤H29調査報告書別冊資料編84p

 
Bの「踊り場の腐食旧床の撤去」(⑥)も5年毎に繰り返す意味が分かりません。踊り場が腐食しているのならば、50年以上腐食しない部材に取り替えれば良いだけではないでしょうか? 
 

⑥H29調査報告書別冊資料編83p

 
AとBの合計は385万/年です。最初の5年で耐久性のある部材に交換すると、残り45年は更新の必要がありませんから、1億7325万円は過大な積算となります。
 

■「分類」の根拠が不明

その他の項目についても、なぜ5年毎に、または10年毎に行わなければならないのか、「分類して」とありますが、分類の根拠は示されていません(⑦)。
 

⑦H29調査報告書25p

 
例えばF塔内清掃を10年サイクルにしていますが、清掃であれば、10年ごとと言わず、毎年全体を更新しなければならないのではないでしょうか。10年に一度しか掃除しない箇所をつくる意味が分かりません。
 

⑧H29調査報告書別冊資料編85p

 
DEの防錆処置は、20年に1回行うとする大規模補修で措置されるので、その後の数年は不要になるはずです。措置されないとするならば、何のための大規模修繕かという疑問となります。
 

⑨H29調査報告書別冊資料編82p

 
合計額を年で割り返したものであって毎年行うという意味では無いにしろ、こうした項目はきちんと引き算されなければフェアとは言えません。

毎回更新しなくとも良いものを組み込んでいるために経常措置が不当に膨らんでいます。

 

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