Hokkaido Centennial Memorial Tower Fun

北海道は、平成30年12月の「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想」において北海道百年記念塔は「将来世代への負担軽減等の観点から、解体もやむを得ないと判断」しました。「将来世代への負担」の根拠となっているのが「平成29年度北海道百年記念塔維持管理計画策定調査」(受託者:D社)です。
 
この調査では、今後50年間の修繕工費として、展望台に来館者を登らせる「原状復帰」で28億61955万円、登らせない「原状維持」で26億4650万円かかるとしました(図①)。
 
私たちは道の情報公開制度によってこの調査報告書を入手しました。設計者の井口先生は「塔はモニュメントとして設計したので展望台機能は本意ではない」と言ってることから「原状復帰」は考えないものとし、「原状維持」の26億円の問題を検証します。
 
なお11月29日に道は新たな試算を示しましたが、解体費に合わせて原状復帰、現状維持とも2億円を付加したもので、平成29年調査から積算根拠は変化ないものと考えられます。

平成29年調査は
 

図①


A・原状復帰管理計画(かつてのように展望台に人を入れる)
B・原状維持管理計画(原状のように人を近づけない)
C・除去計画(記念塔の解体)
 
に分かれます。
 
AとBには、それぞれ
 
ア・早急に措置すべき事項
イ・経常的に措置すべき事項
・5年サイクルで経常的に措置すべき事項
・10年サイクルで経常的に措置すべき事項
ウ・大規模修繕
・内部大規模修繕
・外部大規模修繕
 
が含まれています。
 

 CONTENTS

平成29年度北海道百年記念塔維持管理計画策定調査報告書 原文

解体を決定づけた41ページの報告書のうち21ページを公開

今後の50年間で原状復帰で約28億円、現状維持で約26億円がかかり、北海道が「将来世代の負担」といって「解体」を決めた平成29年調査報告書の原文です。

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【疑問①】 そもそもなぜ50年先の未来が見通せるのか?

平成29年調査は50年先までの修繕費を示しています。そんな遠い将来の修繕費を予想できるものなのでしょうか?

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【疑問②】なぜ大規模修繕費の48%は仮設費と管理費なのか?

今後の50年間で大規模修繕を内部と外部に分けて6回も行うとしたことが高コストの原因となっています。それらは本当に必要な工事なんですか? コストアップのために盛ったものではないんですか?

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【疑問③】大規模修繕の経費内訳が見当たらないのだが?

平成29年調査は、今後50年間の修繕工事を20年に2度の大規模修繕と、毎年行う経常修繕の2つに分けて経費を提示しています。報告書の別冊資料編に「経費内訳書」が付いているのですが、開いて驚きました。道の公共事業でこんなことがあるのでしょうか?

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【疑問④】なぜ更新する必要のないものを毎回更新するのか?

平成29年調査は、大規模修繕と毎年の経常措置に分かれます。経常的措置=通常メンテナンスでは、5年で朽ちる部材をわざわざ選んで5年毎に取り替えるというとんでもない無駄な作業が盛り込まれていました。

【疑問⑤】なぜ解決済みの問題を今の問題のように誤解させるのか?

平成29年調査は記念塔の原状をどのように見ているのでしょうか。「第3章 今日までの損耗状態と保守管理の状況」という章を一読すると塔の深刻な状況が示されているように見えますが、そこには人をたぶらかすトリックがありました。

【疑問⑥】これを調査と呼んで良いのだろうか?

平成29年調査の積算の問題点を検討し、不可思議な算定を発見しました。どのような調査をしたらあのような積算になるのか? 調査内容を検証すると積算以上にずさんでした。こんな「調査」で解体されるのならば記念塔に寄せられた道民の思いは報われません。

令和3年10月調査報告書を公開

令和3年11月、道は北海道百年記念塔の解体費用が平成29年の試算よりも2億8千万円増額し、維持管理費も2億円増額したと発表しました。この維持管理費増額について情報公開制度により調査報告書を入手しましたので速報として論評抜きで原文を公開します。

令和3年10月「現状維持管理計画実施経費内訳」原文

「平成3年度北海道百年記念塔維持管理計画策定調査報告書」の(資料3)「現状維持管理計画実施経費内訳」です。平成29年調査報告書の〝大規模修繕費の内訳が無い〟問題はそのままです

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北洋銀行厚別中央支店(店番486)普通4648744  『北海道百年記念塔を守る会』

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