【疑問②】なぜ大規模修繕費の48%は仮設費と管理費なのか?

 

今後の50年間で大規模修繕を内部と外部に分けて6回も行うとしたことが高コストの原因となっています。それらは本当に必要な工事なんですか? コストアップのために盛ったものではないんですか?
 

 

■記念塔の保守管理指針

 
平成29年調査によれば、大規模修繕は内部と外部にわけ
 

・内部大規模修繕  Ⅰ平成30年 Ⅲ令和20年 Ⅴ令和40年
・外部大規模修繕  Ⅱ令和2年 Ⅳ令和22年 Ⅵ令和42年

 
とそれぞれ3回づつ合わせて6回行うことになっています(引用①参照)。このうち、ⅠとⅡの大規模修繕は、すでに終わっていなければならないものでした。
 
完成から10年が経った昭和55年に北大の柴田拓二先生を長とする日本建築学会による最初の調査が行われ、おおむね10年毎の調査とそれに基づく補修工事という保守管理の方針が示されました。
 

井口先生の証言をお読みください

 
これに従えば、平成23年度に維持管理調査が行われていますから、平成25年から27年くらいの間に修繕工事が行われていなければならないのです。
 
道が手を抜きだしたのは、塔の保存に強い気持ちをもっていた柴田拓二先生が平成22年に亡くなられ、 先生の顔色を伺う必要がなくなったからだとも言われています。
 
そのことを待っていたかのように翌平成23年の調査は、29年調査と令和3年解体設計を受託した業者に代わりました。
 

■修繕をサボった道

 
記念塔の解体を道として判断したのは平成30年ですから、それ以前は昭和55年に定められ維持管理指針に則って管理を行う責任が道にあります。
 
それなのに道は、行うべき大規模修繕工事を行わず、先延ばして「将来世代の負担」の中に組み込んでしまったのです。これは大きな問題で、道議会でも追及されています。
 
このため鉄片が下落して<危険な塔>という汚名がつきましたが、これは塔の責任ではなく保守管理を怠った道の責任です。
 

令和3年第2回定例会での滝口信喜先生の追求を参照してください。

 

■大規模修繕は6回もいらない

 
平成29年の報告書は、着工後20年で大規模修繕を行ったのだから、この50年では3回の大規模修繕(内部と外部を別々に行うので実際には6回)が必要としましたが、竣工後10年目の修繕工事からこれまでの40年間で、内部の大規模修繕は平成4年、外部の大規模修繕は平成11年、それぞれ1回しか行われていません。
  
さて、平成29年調査は、これまでの実績によって20年毎に大規模修繕を行うとしていますが、これまでの実績に照らせば、今後50年で内と外で大規模修繕はそれぞれ1回行えばよいはずです。
 
つまり、平成29年調査が行うとした(内外と分けなければ)大規模補修3回のうち1回は本来すでに終わっていなければならないものです。
 

■内部と外部に分けることでコストアップを狙う

 
①②は平成29年調査における内部と外部の大規模修繕の概算です。内容を見ると、一回あたりの内・外部修繕工事の経費合計は6億7000万円ですが、共通・直接仮設費と現場・一般管理費の合計は3億2171万円であり、実に工事価格の48%を占めます。
 
これが適切なのか分かりませんが、内部と外部を一緒に行えば修繕費は相当圧縮できるのことは確かです。修繕費を膨らませたくてあえて内部と外部に分けているのではないでしょうか。 
 

②平成29年報告書28p

 

③平成29年報告書29p

 
 

■解体よりも5%上乗せされた管理費

 
そうした下心が管理費に現れています。この調査には解体(調査報告書では除去)費用の調査も含まれている(むしろそちがメイン)のですが(引用④)、解体工事の現場・一般管理費の合計は4805万で全体の約11.7%ですが、現状維持補修の現場・一般管理費の合計は1億0904万円で全体の約16%。きれいに5%を上乗せしています。
 

④平成29年報告書27p

 
解体工事は現実性の高い事業として実勢値を示し、

維持補修費は、高コストを印象づけたい発注者に忖度して〝盛った〟ものと思われます。

①平成29年報告書32p下段の表を打ち直したもの

 

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